NY9-11 チャリティコンサートとPeaceコサージュの思い出

こんにちは。

クチュールアクセサリーブランド

『churie ~チュリエ~』 デザイナーのkoyukiです。

毎年、この時期になると思い出すことがあります。

2002年の1月。

New York カーネギーホールのWeill Recital Hallで行われた

「Benefit Recital for American Red Cross」

911チャリティコンサート

のことです。

911テロ事件後の2001年11月。

同じマンハッタンに住む住人として、

何かできることはないだろうか?と考えていた時、

フリーペーパーでチャリティコンサートの開催を知り、

いても立ってもいられずその日中に、

出演するソプラノ歌手に「衣装を制作させてもらえないか」と連絡をしていました。

タイミング良く、彼女も衣装担当者を探していたということで、

彼女の出演する演目全ての衣装を担当することなりました。

第一幕は、追悼の意味を込め ブラックシルクを用いたドレス、

そして第二幕は、平和への願いを込め

オフホワイトと上質なオーガンジーを重ね合わせた清楚なイメージのドレス

を制作しました。

でも、制作を進めるうちに、

私の中で、

「出演者だけでなく観客のみなさんにも

記憶に留めてもらえるような何かはないだろうか?」

という思いがつのり、

ひらめいたのが、

ソプラノ歌手の衣装と同じ生地を使って制作したコサージュをプレゼントする

ということでした。

平和への願いを込め制作をしたオフホワイトのドレス生地を用い

白いコサージュをプレゼントをすれば、

その後コサージュを見る度に、

チャリティコンサートのことを思い出してもらえるのではないかと。

そして

小さなコサージュですが300個を制作し

Peaceと書いた台紙と共にラッピングをし、

来場者へ配りました。

会場では、

コサージュを胸につける方、帽子につける方、

また髪につけるなど、みなさん思い思いに身につけてくださり、

舞台袖からみると会場に小花が満開にさいているように見えました。

コンサート終了直後、

赤十字の方が駆けつけてきてくださって、

コンサートの成功と共にコサージュのプレゼントに感動したと

涙を流しながらおっしゃってくださったこと

今、思い出すだけでも目頭が熱くなってしまいます。

当時、自分には何ができるのだろう悩み、模索中だったので

この経験は私にとって自信となり、その後の励みになりました。

そして今も

この時期や9月になると当時を思い出し、

平和であることに感謝をしながら

自分が何を提供できるかを改めて考えるようにしています。

この経験を大切にし、これからも精進していこうと思います。