こんにちは。
クチュールアクセサリーブランド
「Churie~チュリエ」デザイナーのkoyukiです。
昨日の日中、
次回コレクションの撮影用の洋服を選ぼうと
クローゼットの整理していました。
コレクション前には必ず行うこの「クローゼットの整理」ですが、
毎回、その作業を邪魔するものがあります。
それはクローゼット内にある本棚の「洋書」です。
New Yorkでオートクチュールドレスの技術を学んでいた頃に
毎週のように通っていたメトロポリタン美術館の書店で
少しずつ買い集めたものです。
ファッションの歴史からオートクチュールドレスの技術本、
ウェディング関係の本など数十冊。
その中の一つに
「MIRIAM HASKELL」の本があります。
コスチュームジュエリーのブランドです。
日本でも5年くらい前からコスチュームジュエリーが注目されているので
ご存知の方も多いかもしれません。
「MIRIAM HASKELL」のコスチュームジュエリーは、
全ての工程が職人による手仕事から生まれるので、
オーダーをしてから手元に届くまでに3か月ほどかかることもあるそうです。
創設者は、ブランド名でもある「MIRIAM HASKELL(1899~1981」。
1924年に創業され、90年を超える歴史を刻んでいます。
「コスチュームジュエリー」は、幅広い定義をもっていますが、
よく比較されるものは、宝石や貴金属などの財産価値のあるいわゆる「宝飾品」と言われるものです。
宝飾品は、
ダイヤモンドなど素材自体が高価なので、素材の良さを前面に出す作品が多いのが特徴です。
一方、
コスチュームジュエリーは、
クリスタル(ガラス)やメタル(金属)、淡水パールなど、
宝飾品に比べれば手頃な価格である素材を用い、
それ自体に加工を施し、オリジナルにデザインをするなど
細部にまで渡るまで「職人技」を感じることのできるものです。
当時、
私はドレスのデザイン&制作を手掛けていたのでジュエリーの知識はなく、
「ドレスに合うジュエリーが必要になり」の参考としてこの本を購入し、
独学で衣装用のジュエリーを制作していました。
パーツを溶接することなく、全てをワイヤーだけで繋ぎ合わせているというところも大変興味深く、
「このパーツは何出てきているのかな。どうやって繋がっているのだろう」と、
洋書に穴が開くほど見ていたことを思い出しました。
今、振り返ってみると
その好奇心が今のChurieの原点になったのかもしれません。
洋書に出会ってから6年後、
「クロッシェチェーン」に出会い、そこに何か運命を感じChurieというブランドを立ち上げました。
クロッシェチェーンは、
シルバーやゴールドのワイヤー用い、かぎ針でひと針ずつ編み上げたものです。
編み上げる手の加減で太さが変わるので、表情もさまざま。
そこへ天然素材を合わせ、
身に着ける方の魅力を惹き出すデザインを考えます。
コスチュームジュエリーの様な華やかさはないですが、
シンプルな中にも凛とした存在感のあるものをお届けできたらと思っています。
次回コレクション前に、
原点に帰るきっかけができ、嬉しかったです。
制作、がんばります!