お気に入りの洋書 『Theatre de la Mode』

こんにちは。

クチュールアクセサリーブランド

『churie ~チュリエ~』 デザイナーのkoyukiです。

新しい作品を制作する前になると、

アイディアを探す為に本棚の前に立ち、

お気に入りの洋書をパラパラと捲ります。

洋書は、New Yorkのオートクチュール学校へ通っているときに集めたもので

Metropolitan Museumで購入したものがほとんど。

お気に入りのものはいくつもあるのですが、

中でもオートクチュールドレスや小物が掲載された

「Theatre de la Mede」 (テアトル・ドゥ・ラ・モード) は、

手に取る機会が多いです。

美術館でこの本を見つけたとき、

わずか70cm程の、ワイヤーで作られた小さな人形が

オートクチュールドレスを着ていることに驚き、即購入。

そして、一刻も早く本を読みたくて、

その後の予定をキャンセルし、自宅へ戻った思い出があります。^^

こちらは1945年頃の戦後物資が少ない時期、

服飾産業が健在であることをアピールする為に

当時のトップデザイナー

Balenciaga(バレンシアガ)やPierre Balmain(ピエール・バルマン)

Nina Ricci(ニナリッチ)やLanvin(ランバン)など総勢53名のデザイナーが

大きさ約70cmのワイヤーで作られた人形約200体に081005_4

ニューモードのクチュールドレスを制作し発表した衣装展の図録です。

驚いてしまうことに、081005_5

人形の大きさに合わせ、ボタンやファスナー、

アクセサリーや帽子、靴、バックや手袋

に至るまで全ての比率を考えたデザインで

手を抜かれることなく精巧に作られていること。

そして、

髪型までもがヘアアーティストが手がけてい081005_6たそう!

人形が展示されている劇場風のセットは、

Christian Berard(クリスチャン ベラルド)や、

Jean Cocteau(ジャン コクトー)などの一流アーティストによって

照明などにもこだわった演出がなされています。

70年近く前の洋服ですが

決して古さを感じさせず、現代でも品良く着こなすことができそうなものもあり

デザインのアイディアの参考になるものが多いです。

ついつい職人技に見入ってしまい

この本を読み始めると時間があっという間に過ぎてしまいます。

とても素敵な本ですので、

ご興味がある方はチェックされてみてください。 081005

  Theatre de la Mode

           Fashion Dolls : The Survival of Haute Couture